2005年08月27日

神戸大学 清明寮

0302精神科の病棟を考える際の一つのプロトタイプです。
中井久夫 家族の深淵 より

この中井さんは建築の専門知識を持っているワケではなく趣味的な領域でこの図を書かれたようです。
詳細は 家族の深淵 をチェック!

  
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2005年08月16日

もう悩まなくていい

先日発売された 熊木徹夫さんの 「もう悩まなくていい」幻冬舎ルネッサンス がずーっと気になっていたのですが、ようやく購入!1時間半くらいで読み終えました。

メルマガで配信されている内容を少し編集してあるのですが、PCで読むより断然文章に入り込みやすいので驚きました。1ページに書き込まれている文章の量が少なめで、ページを捲るテンポがよいのかな?
患者さんの悩みという重い内容を、読みやすい工夫がされてるなあと感心しました。

このような普段語られない精神科を訪ねる患者さんの悩み相談を「公開」することで、誰にでもあり得る病気であるという認知度が高まることを期待せずにはいられません。
  
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2005年08月04日

待合室

はじめて精神病棟の設計に携わったとき、待ちあい室がいかに重要か上司に言われた。
「診察には一般病棟の3倍時間がかかるんだから、いかに良い条件で待っていられるか・・・・付添の方がいる場合も多いからその方にとっても過ごしやすい待ちあいに!」

多少予習したが、そんなことすら知らずに設計チームに入った。

まだまだわからないことが一杯で、医療現場のヒアリングなどが出来ないかと最近思う。
  
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2005年07月12日

ウォークウェイ

しあわせなデザイン 伊藤俊治編著より

海外、特にヨーロッパでは医療の現場や臨床にアートの活動を持ち込んだり、各種の病院施設の関係性の媒体役をアーティストを担う例が多くあり、オランダではかなり発展しています。
川俣氏への仕事の依頼はクリニックから直接ではなくモンドリアン・ファンデーションという国営のコンサルタント組織からの依頼で、オランダでは病院やクリニックにアーティストを派遣する例が数多くあります。

アートの面白いところは、アートは何でもありということで、例えば幼稚園でワークショップを行えば、描かれている絵のレベルは年齢、性別を超えて出てきます。練習するのでもなく、何かきっかけがあるわけでもなく突然現れます。唐突に現れる表現というものが必ずあるわけです。
それをわからないで通過していくのが子供であり、そういうことをきっかけにして自分はアートに才能があると思う人もいれば、まったくそれが判らずに終わる人もいる。それを認める人がいたり、認めない人がいたりする。アウトサイダー・アート、アール・ブルットという言い方をされますが、以前スイスで精神を病んでいる人の絵が一時期かなり有名になったことがあり、そのときに同じような意味でアート作品のクオリティーが多く議論されています。

美術史を勉強したり知識としてアートを知ること以上に、ある技術者があるということ以上に何かを唐突に生み出していくというか、異常者であろうが、健常者であろうが、子供であろうが、女性であろうが、老人であろうが、とにかく作品というのは出るときには出てくる。いろんなところにアートの可能性があります。

芸術家としてセラピーとして何かをするわけではないし、医学的な立場ということでもないので、それとは違った立場でいきたいというのもありました。

オランダのアルクマールでドラッグとアルコールの中毒患者で作った道は非常にシンボリックな作業ですが、提案としては単純に自分たちが社会に帰る、町に帰る道を作ろうと提唱しただけです。

彼らは毎日コツコツと作業を進めていくだけです。ここで決められているプログラムは毎日1時間、外に出て作業をすることだけです。その作業は何かというと、だいたい2メートルぐらいの長さの板を、毎日自分で貼って釘を打って延長していくだけ。それは自分でやるしかないわけです。毎日10人くらい作業に出てくるのですがほとんど彼らは共同作業ができない。
最初の1年は100メートルぐらい作るのが精一杯でした。2年面には1キロぐらい。3年目で3キロ半ぐらいの長い通路ができた。彼らにとっては通路を作るという発想は全くなくて自分で釘を打つことが結果的にそれを自分で確認したから作業が続けられる。そのような日々の作業によって達成感が得られる。

毎日のルーティン化された作業というのが彼らにとってよかったんですね。具体的に彼らの症状が良化したということは聞いていないし、約80%の人がまた施設に戻ってきます。ほとんど治らないといってもいいぐらいなのですが、ただ一つの達成感を得たということが彼らにとっては自信になったと後からセラピーの人から聞きました。

医療現場だけではなく時代と共にアーティストの活動の場が非常に広がっています。都市開発、宇宙開発、産業との連携

精神科医の中井久夫さんが提唱した療法に「風景構成法」というものがあります。「ランドスケープ・モンタージュ・テクニック」と言われるもので、風景に心象を託していって、一種の箱庭の平面化だと思いますが、統合失調症患者に臨床のきっかけになるように、川とか、山とか田んぼ、道、木とか、家とか、人とか、花とか動物とか石などを、白い縁取りして描かせる。そういう絵をみて医師がなんらかの形で患者に関わっていく。分析というよりも何かそこに関与していくことが重要であるという、いわゆる「絵画療法」です。
中井さんは医者なので直接的に患者さんと関わって「芸術医療」を提唱しています。

ベルギーで有名な美術展のオルガナイザーのヤン・フートは国際展「ドクメンタ」のディレクターなどをやっていますが、もともと父親が非常に著名な精神科医で自分の家を開放して患者を招いたりいろいろやっています。
「シャンプルダミ(友達の部屋)」という展覧会があり、一般の人の家にアーティストを招いてそこで作品を作りそれをみんなが見に行くという、新しい展覧会を企画しています。彼にとっては人を招くというというのは子供のころから当たり前のこととしてあるようで精神病の人が自分の食卓に必ずいてそれが当たり前になっていた。
彼はアートと精神病ということを含めていろいろ発言しています。
「オープンマインド」という展覧会はまさに「アートと精神病」と言うテーマでアウトサイダー・アートの作品と現代作家の作品をパラレルに展示して非常に面白い視点でアートを考えていました。  
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2005年07月01日

ル・クレジオ

フランスの有名な小説家ル・クレジオは「これからは芸術という言葉はなくなって、すべての芸術は医学に吸収されていくだろう」という意味のことを言ったことがあります。芸術という言葉が抱えている問題の核心はもしかしたら医学の中にあるのではないかと言っています。
  
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2005年06月30日

待合室

4dafaaa0.jpg何かを作るときに、いろいろな意見をまとめてイメージをいかに具体化していくか。
いろいろなスケッチを重ねるうちにだんだんイメージが固まっていきます。
そのスケッチをみていろんな意見を重ねるとそれが現実の建物になっていきます。
この場所でいろんな方と意見を交わせるのが、理想の待合室の第一歩です。
  
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2005年06月22日

ウォークウェイ

では概略を記載しますね
オランダのあるクリニックからの彫刻の制作依頼がありました。
そのクリニックは麻薬中毒患者やアルコール依存症患者がリハビリする施設で、現地でその患者さんを観察していて、川俣さんは彫刻を中庭に作ることよりも、彼らと彼らがいる施設に興味を持ちました。単に中庭に作品をつくるのではなくて実際に彼らと一緒に何かしたいと思い「とりあえず1ヶ月、僕もそこに入れてくれ」と頼み込んで生活を送りました。(アルコール・ドラッグは抜きです)
そうして彼らと一緒に生活をしながら何ができるかを考えました。彼らはその日その日の生活パターンを決めることができない。ルーティン化された生活がほとんどできない人たちなのでセラピストは本当に数分単位の余白のないプログラムをつくっていました。そういうプログラム化された生活を逆に強いているところがあって、それは徹底してすごかったそうです。
症状がよくなってくると、外に出て散歩を許される人たちがいるのですが、その人たちとなら一緒に作業できるかなと思って、木道を一緒に作ることを提案して始めたのがこのアートプロジェクトになりました。  
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2005年06月20日

ウォークウェイ

アートセラピーという言葉がありますが、先進国のオランダで川俣正という彫刻家が3キロ程の木道を患者さんに作ってもらうというプロジェクトを行ないました。
次回このプロジェクトの概要を書いていこうと思います。
  
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2005年05月20日

精神病院

精神科医の熊木氏のブログに精神病院についての記載がありました。
以前別件で投稿した文章の加筆して記載します。

精神病院の成り立ちについてですが
1900年に制定され1950年に廃止された精神病者監護法という法律があります。
精神病者を治療するのではなく社会から隔離する法律で、
これがそのまま今の精神病院のイメージと一致するのではないでしょうか。
社会から隔離するという点で、刑務所と同じだったと思います。

そしてこのことが精神病という病気を社会から隠してしまい、
実際にどんな病気か知らないけれど、怖いとか、不気味なという偏見をつくる温床に
なっているんですね。
僕も実際に精神科の病院を設計する機会がなければ、その間違いに気付かなかったか
もしれないと思います。

はじめて精神病院の設計に携わったときに、院内を視察する時
「ネクタイは外したほうが良い」という助言を受けました。
誤って引っ張られて窒息死することがあるそうです。
得も言われぬ気持ちになりました。
院内を移動する際に、各所に鉄扉があり鍵を開錠して通過すると施錠します。
静かな院内に鍵を開けたり、閉めたりする音が響いていました。

設計者として何をどうしたらよいのか・・・今までの考えてもみなかった事ばかりで冷静でいられなかったことだけ覚えています。
  
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2005年05月18日

保護室の居住性

精神科医の熊木氏のより保護室の居住性についてのコメントを頂きました。
実際に医師として医療の視点からみた保護室の居住性の必要性や、
今までご覧になった中で居住性に優れた保護室が具体的にどのようなものだったかを
お聞かせ頂けますか。
  
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2005年05月12日

緊張感の限界

自分の仕事に「まじめに取り組む」
この事がある人にとってはどれ程のストレスになるか・・・まじめに取り組めば取り組むほど程ストレスになっていく、悲惨なほどの悪循環ですね。

JRの事故は悲惨な事故だったので、みんなが感心を寄せているのはわかりますが、マスメディアの囃し立て方は興味本位で、この事件を期に今後の市民生活を向上させていくための手がかりを探しているような報道は見当たら無いように思います。

今後の関係者や遺族の心のケアをするためにはどうしたら良いのか。我々の生活を豊かにするためにはどうしたら良いのか。もっとそう言った議論を行ないたいですね。  
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2005年04月30日

病院の色

色の事を書き始めたら、収集がつかなくなってしまいました。ごめんなさい。


まず、落ち着く色についての個人的見解ですが
例えば僕が設計するときは、肌の色を基準に色を考えます。
アクセントにお施主さんの好きな色などを入れますが、少し暖色が入るのが好きです。

さて、世界中でいちばん好まれる色は青色だそうで、落ち着く色という理由が多いそ
うです。
また清潔感や清涼感もあるので医療の現場にはふさわしい色ですね。
ただし建物の色に使用する場合は、冬には視覚的に寒そうに見えるので
最近のあたたかい病院のイメージ作りと相反する部分もあります。

色が人間の心理に及ぼす影響は大きくて
壁が「緑色」の部屋が母乳量は最も増えるという研究報告もあります。


さて、白い病院のイメージはいつぐらいから出来たものなのでしょうか?

日本の病院のルーツは、飛鳥時代の国分寺に建立された「療病院」といわれています。
仏教寺院ですから、当時の病院は、柱、梁、垂木などすべて朱塗りで、垂木の先端の
小口は黄色、壁白い漆喰でした。
もし、この医療空間の流れが続いていたら現在の病院建築はド派手な建物になってい
たことでしょう。
と言うわけで今の白い病院は、明治時代にドイツの医療技術を積極的に輸入して、各
地に病院が建設され現代病院の基本形ができ上がっていったと考えられます。

余談ですが病院は白でも手術室は白ではないんですね。青緑色の壁で、手術する医師
の手術着の色も青緑です。
50年くらい前には手術室も白い壁でしたが、白い壁は光を反射して眩しいという事
と、もうひとつ。
手術をしている医師達が相次いで、その白い壁に青緑色の「しみ」が見えるという目
の異常を訴えました。
これは目の異常ではなく「色残像」あるいは「色対比」 と言う現象で
「色残像」は、同じ色ばかりを見ていると網膜が疲れて、反対色が浮かんでくる現象
です。
青緑色の「しみ」が見えると訴えた医師達は、手術中で、血液の赤色ばかりを見てい
たので、赤色の反対色の青緑色の残像が白い壁に写ったのです
そのため手術室は青緑色で、手術着も青緑色になりました。
青緑色は緊張を和らげる効果もあり手術室には適した色で現在も定着しているようで
す。

さて本題ですが、病院と色彩については最近の医療施設の設計では重要なポイントに
なっています。
「白」は、ベットの廻り、下着などのリネン類、トイレの便器や洗面器、浴室のタイ
ルまで汚れがすぐわかり、清潔さを維持しやすいことと清潔なイメージを受ける色として、病院の建物の外装や内装の色に多用されてきました。
その結果無機質的で人に冷たい印象を与えるものの代表的になってしまったのです。

もともと日本では白は清浄無垢という意味と、忌み色の2つの意味があるので後者の
イメージの影響もあるかもしれませんね。

最近では医療施設の計画がはじまると、病院側から「あたたかみのある病院」とか「
病院らしくない病院」という要求も入るようになりました。これは、白い病院のイメ
ージへの反省と改善することの重要性が理解されはじめたからだと思います。
病院は安心と元気を提供する場です。そしてそれが患者の自然治癒力や免疫力を高め
ていく。
今回の色についてもですが、そのための環境作りを積極的に展開していきたいと思っ
ています。

PS1.照明についての余談
ドイツの病院の待合室では、白色蛍光灯の使用が禁止されています。
一般的な白色蛍光灯の下では、体内でストレスホルモン(コルチソール) のレベル
が上昇し、結果イライラを感じるようになるため、軽減策が執られています。
PS2.白い家
最近の建築の雑誌を見ると真っ白な家が多いですね・・というか白ばっかり。
たしか、ペンキも真っ白に塗るには他の色よりペンキの使用料が多いと聞いたことが
あるような・・
写真で見る分にはとても素敵に見えますが、人にも環境にも優しくなさそう。
そこで暮らすのは僕は遠慮しておきたいですね。
  
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2005年04月28日

鉄格子

精神病院といえば鉄格子を連想される方が多いのではないでしょうか。
刑務所と精神病院が似ているようなイメージがあると思います。
さてこれはなぜなのでしょうか?
先日 名古屋精神科環境建築研究会のMLで話した内容を以下に引用します。

1900年に制定され1950年に廃止された精神病者監護法という法律があります。
精神病者を治療するのではなく社会から隔離する法律で、
これがそのまま今の精神病院のイメージと一致するのではないでしょうか。
社会から隔離するという点で、刑務所と同じだったと思います。

そしてこのことが精神病という病気を社会から隠してしまい、
実際にどんな病気か知らないけれど、怖いとか、不気味なという偏見をつくる温床に
なっているんですね。
僕も実際に精神科の病院を設計する機会がなければ、その間違いに気付かなかったか
もしれないと思います。

今後MLで精神科クリニック・精神病院で、御気に入りの”空間”について話し合う
だけでなく
ここがイヤダ!ということも話し合っても良いですね。

ちなみに今後建設される病院では、人権擁護の観点から鉄格子はほぼ完全に廃止され
ます。
ただ、どうしても行動を制限しなければならない”状態”にある患者さんのために
鉄格子にかわって強化ガラスが使われています。
  
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