2007年05月10日

しまっておこう!

時々登場するK君。未熟者ゆえいろいろ誤解されてるようですが、きっと成長するだろうと思って実はかなり期待してました。やはり何事も経験してみるのが大切。そして成功すれば自信になるはず!なのでなるべく成功に導けるように仕事を頼みます。

僕自身失敗した経験がたくさんあって、経験談を交えてここはこんな風にしたらいけないよとか、ここはこうだから注意して・・・などなど転ばぬ先の杖を伝授します。
「そうですね」「わかりました」と返事はバッチリなのですが・・・何故?

特に驚いたのはトイレへのこだわり。・・・広い・・・いくらなんでも広すぎるんじゃ・・・で、トイレのドアを開けると、そこはギャラリーーーー・・・。

絵や陶器を飾るギャラリーに面してトイレを提案してくるのですが、知らない人がたくさんいるところで、女性は恥ずかしくてトイレに入れないと思わないのかな・・・?ギャラリーにあるドアを開けると便器が見えるし・・・。
「これってどうなの?」と訊ねると決まって答えは「僕的には問題ありません。」

本当はまっすぐに彼が成長できるように手引きしたい。
その一身で彼に接してきましたが・・・信頼できない相手に仕事を頼むのは、とっても勇気が要ります。何時になったら僕を安心させてくれるのか・・・・そしてこのプランもお施主さんに見せるのはとても無理です。このプランも僕の胸の中にしまっておきます。それしかない!

Posted by kakehi_k at 01:27│Comments(5)TrackBack(0) Aクリニック project 

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この記事へのコメント
い、いや、トイレが広いのはいいのですけど、ギャラリーに面してトイレはイヤという以前に、「問題あり」

掃除をする主婦の意見として、あまり広すぎるトイレというのもちょっと…っていう気がしないでもないです。お施主さんには見せないほうがいいですね、そのプラン。

トイレといえば、私が以前、教室の発表会で使った某楽器店のホールなんですが、トイレを通らないと舞台裏に行けないという構造なんですよ。ちびっこの生徒さんが「せんせい、くちゃい」となみだ目で訴えてきたので気の毒でした…。楽器店のセミナーなんかでも使うホールなんですが。ニオイの問題も考えたほうがいいと、K君に言ってあげてください…。

>ことなりままっちさま
何度も進言したのですが・・・こだわりというより、異常な執着でした。
プランニング(間取り)についてもう少し的を得ていれば助言もしやすいのですが、気持ちのよい空間になりそうな提案はなかなか出てきませんでした。
こうした若者達が設計者として住宅などを設計する機会が増えるとすると、設計という行為に対する価値がどんどん引き下げられてしまう恐れがあります。
何よりアネハ事件同様に建築士の価値が引き下げられるのが怖いです。
Posted by ことなりままっち at 2007年05月10日 15:07
人間素直が一番なんだけど・・・・我が社なら  ペンが飛ぶなぁ
気長に育てるしかないのかも。

我が社にも、頑固なのがおります。40にもなるのに柔軟な発想ができません。やっつけ仕事が得意です。妙な間取りでも書き上げます。
スケッチ、下書きせずに書き込んでいきます。何度注意しても変わりません。 だから、給料も変わりません。

設計士は、素直さと柔らか頭かな!

>くみちょうさま
チームを組んで仕事をするのはとても難しいですね。
僕は日本設計でアルバイトにいろいろ手伝いをしてもらっていたので学生の出来る仕事はこのくらいだろうという目安がなんとなくありました。
今まではそれで大抵の学生に通用していたのですが・・・・
僕の感覚だとK君の実力は学部2年生の前期ぐらいなのですが、本人院卒なのでなにがどーしてこうなるんだかです。

気をつけないといけないのは大学を卒業したらその大学の看板を背負ってる自覚を持たないといけないということだと思います。学歴を知っている以上その人を見て卒業した大学を計ることになりますから、これから世に出てくる後輩達も同じ程度だと思われてしまう。看板の重さを噛み締めて自分を見直してくれるとよいですが・・・。
Posted by くみちょう at 2007年05月10日 20:19
ちょっと前に新聞で堺屋太一さんが、彼自身の体験から書かれていたことを思い出しました。

「個性を仕事で認めてもらえるようになるためには、一見つまらなくみえる平凡な仕事や雑用とも思える仕事を地道になんでもできるようになることだ。それができて初めて会社は奇抜なアイデアにも目を向けてくれる」というようなお話でした
ちなみにうちのトイレは車椅子でもはいれるように改築した広いトイレです。おばあちゃんのために冬場は24時間電気ストーブで暖房。広いので結構電気代がかかります。

>すーちゃんさま
どんな仕事も同じですね。下積みをきちんとしないと次の世代を育てることが出来ない。
K君はこうした「下積み」を「苦労」と勘違いして敬遠していたように思います。人間はほんとうは薄っぺらでこの下積みで肉付けされるのでしょう。お話をして楽しい方はこうした下積みをきちんとされた方ばかりです。
Posted by すーちゃん at 2007年05月11日 07:34
私も自分的にこだわってしまって工事の進行を止めてしまう人間なので(設計士ではなくただのリモデラーですが)、ここの皆さんのコメントとても参考になりました。他人からは理解できない執着・・・・ちょっと耳が痛いかも、です。「下積みをきちんとしてきた人間の奥深さ」今からでも見習いたいです。

>tokaraさま
もちろんこだわりはとても大切です。
そのこだわりが的を得ているのが「職人」的を外しているのが「偏屈」ですね。
tokaraさんは職人ですよ!
Posted by tokara at 2007年05月11日 10:29
僕もまだまだ駆け出しなので、偉そうな事はいえませんが、K君は人間がそのスペースを使うって言うのをわかってないですよね。その上に目上の人から学ぼうって姿勢も見えないのはちょっと・・・こっちならすぐに荷物まとめさせられると思います・・・

>わったんさま
自分の興味がある部分だけスタディーしても全体の密度を上げていかないと仕事としては稚猥なものしか出来ません。
同じチャンスは2度と無いのと同じように、同じ仕事は2度とやってこない。だからこそ自分に与えられた仕事はどんな小さなことでも全力で取り組まなくてはいけないです。その積み重ねが仕事に選ばれる設計者への道ですね。
どんな道を究めるのも積み重ねが大切です。僕もまだまだ頑張らないと!
Posted by わったん at 2007年05月15日 10:31

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