2007年04月15日

建築用語は難しい。

久々に遠い昔に居たK君との打ち合わせにて・・・

「仕上げ表に記入する外壁の材料はサイディングでいいよね。」と僕が言うと、
『僕は繊維補強セメント板のイメージなんですけど!』とK君が反論。
「だからサイディングってことでしょ。」
『サイディングは安っぽいからイヤなんですけど。』
「・・・」

どうやら雑誌を見て、自分の気に入った建物の外壁と同じ材料を使いたいらしい。
それはわかるけど、繊維補強セメント板というのはサイディングと総称される材料の一種のこと。
学生じゃないんだから何度も同じ説明させないで欲しいです。
一緒に仕事をする上で実力差が大きいとどうしてもフォローをする時間が相当量必要になる上に、K君の力量で出来る仕事を用意してあげなければならないのに!!

彼を預かった以上、少しでも彼の勉強になるようにと思って努力してきたつもりです、でもこの気持ちがどうしても伝わらない。
人の意見を聞いて自分が正しいか考えることが出来ること。それが、きっと実力なのだろうと思う。あれから1年・・・K君はちゃんと人の意見も傾聴できるようになったかな?

さて、サイディングについての補足。
サイディングは建物の外壁に使われる外壁材です。金属やコンクリート製などがありますが中でも今回話題にした、窯業系サイディングボードは組成によって大きく3つに分類されます。
1.木繊維補強セメント板系
  硬質木片セメント板、木繊維混入セメント・ケイ酸カルシウム板
2.繊維補強セメント板系
  繊維混入セメントパーライト板、繊維混入パーライトセメント板、
  繊維混入スラグセメント板、スラグセメントパーライト板、
  繊維混入フライアッシュスラグセメント板、スラグ石膏セメント板
3.繊維補強セメント・ケイ酸カルシウム板系
  繊維混入ケイ酸カルシウム板、繊維ケイ酸カルシウム板押出し成形板、
  パルプ混入軽量セメント押し出し成形板、繊維混入軽量成形板、
  セメント押し出し成形板


Posted by kakehi_k at 01:31│Comments(2)TrackBack(0) Aクリニック project 

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この記事へのコメント
なるほど。。
かけひさんのblogは本当に勉強になります。

そんなかけひさんの側でお仕事ができるだけでも
K君とても羨ましいのに・・・。
時として、その状況下がどんなに恵まれているか
解らないものなんですね。
もう、気付いてくれているといいですけど。

私もやっと、建築業界に一歩踏み出しました^^
これからも勉強させてください♪

>kaz。さま
頑張ってくださいね。
建築と付き合うことって人間と付き合うことと同じだと思います。
設計がオールマイティーに何でも可能にするというわけではないです。キレイだったりカッコよかったりするものを作れば皆がハッピーというわけではないですものね。
まずは自分のデザインを主張するのではなく、相手のことをよく知ろうというところが設計のスタートだと思います。
スタートラインに立つことが出来れば、あとは全速前進です!
Posted by kaz。 at 2007年04月17日 00:42
>自分を過信してる人は人の意見を聞こうとしない。自分が正しいと思っているから。

耳が痛いですね〜。うちの業界(笑)でも同じかもしれない。
ま、若さゆえというのもあるのかも。怖いもの知らずというかね。
自分を信じることも大切だけど、(自信なくなるから)バランスが大事かな、と、今の私は感じることが多いです。

サイディングの補足、ためになりました。

>ことなりままっちさま
ほんとうに難しいところです。何でも教えてもらえると甘えてる部分があるのに、指摘されると反抗します。
どんなに時間を費やしても、お施主さんにとって必要なことが出来なければ代価は得られません。仕事とアルバイトの区別がついてないのかな。
相手の望むことを聞いて、それを自分なりにこうしたら実現できるのではないか、という提案をするのがプロ。「俺様のデザインが分からないのか!」などと思ってるK君は何時までも坊やなんですね。
Posted by ことなりままっち at 2007年04月19日 20:20

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