2007年03月14日

背割り

9f0b42fe.JPG先日現場で「この柱は割れてるけど不良品じゃないの?」という内容の質問をされた。えー!背割りって見たことないのかな?ちょっとびっくり。

背割りは木材が収縮する性質を持ってるので何もしないとどこかの面で割れが生じる、このためあらかじめ割れを誘発するためのもの。・・・・博士はもしかして木造の家に住んだことがないのかな?それとも埋木されてて今まで気づかなかったのか?

背割りした柱を使ってないと、柱が徐々に乾燥していくと「ぱーん」と音をたててはじけるようにヒビが入る。深夜に突然「ぱーん」と音がしてお化けが出た!とびっくりする子供がいたって話も聞いたことがある。

日本には他の国では真似できない木の文化があって生活に密着したものだと思っていたけど、だんだん現代人の生活の中でその色を失いつつあるようだ。

コンクリートやアルミサッシで頑丈な・・とか、気密性や防音のことばかりいわれる。そう思うと現代人の家って心にもすごいバリアを作ってて、自分だけの領域をすごく主張している。そんな中で育ったら人を思いやる気持ちも育ちにくいのかも・・・都市はコンクリートジャングルって称されるくらいだから自分が生き残るサバイバルなのかな?

「木のいのち、木のこころ」を人の心への問いかけていかないとなあと思った。

Posted by kakehi_k at 03:16│Comments(2)TrackBack(0) 心理学博士の家 

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この記事へのコメント
私も、自宅の床を無垢の素材に選んだとき、大工さんから背割りのことを教わりました。
隙間があいたりすることを嫌う人には不向きだけど、それを木が生きている証拠と感じ取れる人には、
是非、「生きた木」で家造りをして欲しいと思います^^

最近は、床が「パシッピシッ」というたびに
「ん?な〜に?」と子供たちとお返事してます(笑)

そういえば、マンションなどのコンクリート造でもわざとひびを入れるんですよね。

>kaz。さま
木が生き物だということを子供たちが体感できるっていいですよね。

さてコンクリートの場合は亀裂誘発目地といいます。
コンクリートは水とセメントの科学反応で固まるので、水分が抜ければ体積も変化しますから収縮して亀裂(クラック)が発生します。それをわざと弱い部分を作ってそこに発生させます。
同じことがモルタルなどの左官材でも起こります。
目地のデザインが出来ると一人前ですね。
Posted by kaz。 at 2007年03月15日 10:44
見えないところにそんな知恵があったのですね。
確かに「木」は生きていますね。
うちのようなボロ屋は冬場に木が乾燥してよく閉まらなくなるドアもあります。
夏場と冬場で開け閉めのコツがあったりします。
夜中にピシとかパシとか、きしむような音がするのも木のせい?
どこかの木にひびがはいっていたりして・・。

>すーちゃんさま
本当に、木が割れる音かもしれませんよ!
Posted by すーちゃん at 2007年03月15日 11:27

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