2006年04月20日

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クリニックの打合せは約30回行われた。
毎回、問題点としてあげられた事項を修正しプレゼンテーションを行なった。
今日はその打合せの反省!

いつもならお施主さんが持っているイメージや使い勝手等の要望を最初に伺う、ヒアリングという作業を行なう。今回もそうした設計方法の延長のつもりで、ドクターの持っているイメージを伺って、それを自分たちなりに解釈しなおした、プランや模型で提案してきた。

毎回打合せを終える度に、何かドクターの心が読めない部分があった。ずっとそれが何か僕の中で引っ掛かっていた。いったいドクターは何を望んでいるのだろう・・・?

最後の打合せのドクターからの仕事の精算理由を聞いていて、何が引っ掛かっていたのかはっきりした。ドクターのクリニック像はとても漠然としていて、実は本人もどうしたら良いかわかっていなかったらしい。
そこへ僕らから、こうしましょうか?という提案をしても、それが良いか本人も判断がつかない。結局曖昧なままで決定ができなかったのだ。
今まで病院に勤務してきたドクターがクリニックについての経験を持ちあわせているはずがない。1億円近い出資をすることを考えれば本人もどうしてよいか判らなかったのだろう。

この仕事で自分がしなければならなかったこと。病院とは違うクリニックの本質をしっかり理解して、そして自分たちなりの提案をしなくてはいけなかった。ドクターをしっかりリードしなくてはいけなかった。きっとドクターは不安で仕方なかっただろう・・・

今までの打合せでのいろいろなシーンを思い返しても、ドクターの気持ちを理解出来ていなかった今の自分たちの力ではこの仕事は出来なかったに違いない。一つ仕事を失ったけれど、これは自分たちの力不足。この反省を次に活かせるようにしなくては!

Posted by kakehi_k at 22:47│Comments(2)TrackBack(0) Aクリニック project 

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この記事へのコメント
最初はどうなることかとハラハラしていたこの関連記事ですが、
筧くんらしく昇華したり次のパワーに変換しているところ、
さすがだなと思いました。
やっぱり仕事のほとんどは、作業ではなく作る思いなのよね。
これからもがんばってください。
Posted by kyonikichi at 2006年04月21日 03:56
kyonikichさま

いつも応援ありがとう。
お施主さんにとって、家作りは人生の中でも一大イベント。
設計者としてそのイベントのパートナーに選ばれるということはとても嬉しい事であるのと同時に責任重大です。

お施主さんも一生懸命、僕らも一生懸命頑張って初めて納得するものが生まれると思うので作る思いはいつも強く持っていたいと思っています。
Posted by 筧  清澄 at 2006年04月21日 10:20

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